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書籍紹介

文系研究者になる ――「研究する人生」を歩むためのガイドブック

文系軽視の時代に、職業として研究を志す人のために
著者 石黒 圭〔著〕
刊行日 2021年10月26日
ISBN 978-4-327-37907-0
Cコード 0037
NDCコード 377
体裁 A5判 並製 360頁
定価 定価2,970円(本体2,700円+税10%)

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内容紹介
「キャリアプランを立てにくい」「進むと破滅」とも言われる文系大学院。それでも好きなことを研究し、それを生業とするために、いつ、何をすればよいのか。文系分野の大学院生・若手研究者の抱く、素朴な疑問に丁寧に答えます。迷ってもつまずいても、一歩ずつ、「研究する人生」を前に進めるための必読書。
 
《本文見本はこちらから》

 
<著者紹介>
石黒 圭(いしぐろ けい)
国立国語研究所 教授・研究情報発信センター長。一橋大学大学院 言語社会研究科 連携教授。博士(文学)。専門は日本語学・日本語教育学。
1969年大阪府生まれ。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院 文学研究科博士後期課程修了。1999年に一橋大学留学生センター専任講師、2004年に同助教授、2013年に一橋大学国際教育センター・言語社会研究科教授を経て現職。
主な著書に『ビジネス文書の応用言語学的研究―クラウドソーシングを用いたビジネス日本語の多角的分析―』(ひつじ書房)、『段落論―日本語の「わかりやすさ」の決め手―』(光文社)、『よくわかる文章表現の技術』全5巻(明治書院)、『日本語教師のための 実践・読解指導』(くろしお出版)、『この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本』(日本実業出版社)など多数。
目次
はじめに
研究者すごろく
 
序章 研究への道
0.1 研究は恋
0.2 研究者の一生
0.3 本書の対象者
 
第1章 決める(決断)
1.1 受験生の決断
 1.1.1 分野によって異なる大学院の進学意識
 1.1.2 文系大学院への進学の動機
1.2 大学院進学の準備
 1.2.1 大学院選択の方法
 1.2.2 修士課程入試の準備
 1.2.3 修士課程入試の面接
 1.2.4 博士課程入試の準備
1.3 大学院進学後の考え方
 1.3.1 修士課程合格後の準備
 1.3.2 博士課程合格後の準備
 1.3.3 大学院生活の心構え
 1.3.4 大学院生活に必要な作業
 
第2章 考える(思考)
2.1 研究の基本
 2.1.1 研究とは何か
 2.1.2 研究に向いている人
 2.1.3 研究に向いていない人
 2.1.4 研究者になるリスク
2.2 研究テーマの探索
 2.2.1 研究テーマとの出会い
 2.2.2 経験と研究テーマ探し
 2.2.3 知識と研究テーマ探し
 2.2.4 データと研究テーマ探し
 2.2.5 よい研究テーマ
 2.2.6 研究テーマと指導教員
 コラム1 研究テーマと流行
2.3 研究課題の設定
 2.3.1 問いと答え
 2.3.2 問いを立てる
 2.3.3 問いを思いつく
 2.3.4 問いを変える
 2.3.5 問いを分割する
2.4 考えるコツ
 2.4.1 論拠とデータを示す
 2.4.2 疑いを持つ
 2.4.3 新たな考えを生みだす
 コラム2 思考の材料を整える
 
第3章 読む(文献)
3.1 文献を読む
 3.1.1 勉強のために文献を読む
 3.1.2 研究のために文献を読む
3.2 文献データベースを調べる
 3.2.1 学術検索サイトで検索する
 3.2.2 検索で漏れた文献を補う
 コラム3 検索ワードを増やす
3.3 引用の作法
 3.3.1 引用の意義
 3.3.2 研究史に位置づける
 3.3.3 引用のマナー
 3.3.4 引用のルール
 3.3.5 剽窃を防ぐ
 
第4章 調べる(調査)
4.1 調査とは何か
 4.1.1 調査と分析
 4.1.2 調査の方法
 4.1.3 量的調査と質的調査
4.2 質的調査
 4.2.1 質的調査とは何か
 4.2.2 質問の良し悪し
 4.2.3 インタビューの種類
 4.2.4 研究倫理の問題
 コラム4 質的調査法の種類
4.3 量的調査
 4.3.1 量的調査とは何か
 4.3.2 統計は必要か
 4.3.3 サンプリング手法
 4.3.4 統計の種類
 4.3.5 統計的手法選択のコツ
4.4 調査の実際
 4.4.1 パイロット調査とリハーサル
 4.4.2 パイロット調査をする
 4.4.3 リハーサルをする
 4.4.4 フェイスシートを作成する
 4.4.5 失敗したときの保険をかける
4.5 既存のデータの収集
 4.5.1 デジタル・アーカイブのサイト
 コラム5 知っておきたい人文系デジタル・アーカイブ
 4.5.2 目指すデータにアクセスする方法
 
第5章 話す(発表)
5.1 ゼミ発表
 5.1.1 ゼミの目的
 5.1.2 発表者のゼミ発表の効用:準備編
 5.1.3 発表者のゼミ発表の効用:当日編
 5.1.4 参加者のゼミ参加の効用
 5.1.5 新入生のゼミでの心得
 5.1.6 上級生や指導教員の心得
 コラム6 研究の思考法の育て方
 5.1.7 ゼミ運営の方法
 5.1.8 ゼミの議論の質
 5.1.9 コメントを増やす
 5.1.10 コメントの質を高める
 5.1.11 集中力を高める
 5.1.12 ゼミ運営法の最適解
 5.1.13 もらったコメントの取捨選択
 5.1.14 もらったコメントの優先順位
 5.1.15 発表資料の作り方(研究生・新入生)
 5.1.16 発表資料の作り方(修士課程)
 5.1.17 発表資料の作り方(博士課程)
5.2 学会発表
 5.2.1 口頭発表
 5.2.2 ポスター発表
 5.2.3 講演
5.3 面接
 5.3.1 修士課程の修了面接
 5.3.2 博士課程の修了面接
 5.3.3 就職の面接
 
第6章 書く(執筆)
6.1 修士論文の執筆
 6.1.1 修士論文の執筆スケジュール
 6.1.2 イメージ期
 6.1.3 試行錯誤期
 6.1.4 方針検討期
 6.1.5 方針確定期
 6.1.6 調査実施期
 6.1.7 調査整理期
 6.1.8 執筆着手期
 6.1.9 本格執筆期
 6.1.10 論文提出期
 6.1.11 後片づけ期
6.2 学術論文の構成別執筆法
 6.2.1 学術論文の基本的構成
 6.2.2 「はじめに」
 6.2.3 「先行研究」
 6.2.4 「資料と方法」
 6.2.5 「分析の結果」
 6.2.6 「結果の考察」
 6.2.7 「まとめ」
6.3 学術雑誌への投稿
 6.3.1 投稿の必要性
 6.3.2 博士院生の投稿戦略
 6.3.3 投稿先の選び方
 コラム7 投稿のカテゴリー
6.4 投稿論文のチェック項目
 6.4.1 チェック項目一覧
 6.4.2 タイトル
 6.4.3 要旨
 6.4.4 キーワード
 6.4.5 匿名性
 6.4.6 先行研究
 6.4.7 注の扱い
 6.4.8 資料と方法
 6.4.9 結果・考察
 6.4.10 まとめ
 6.4.11 日本語表現
 6.4.12 形式の統一
6.5 査読者とのやりとり
 6.5.1 査読のしくみ
 6.5.2 不採用の理由
 6.5.3 修正再査読コメントへの対応
 コラム8 不採用コメントへの対応
 6.5.4 査読者の心構え
6.6 博士論文の執筆
 6.6.1 修士論文と博士論文の違い
 6.6.2 博士論文提出までの流れ
 6.6.3 博士論文の構想と構成
 6.6.4 博士論文の審査
 6.6.5 博士論文の公開
 コラム9 共著と謝辞
 
第7章 つながる(関係)
7.1 学内でつながる
 7.1.1 指導教員のタイプ
 7.1.2 囲い込み型の指導教員との付き合い方
 7.1.3 放牧型の指導教員との付き合い方
 コラム10 指導教員の選び方
 7.1.4 修士1年目の人間関係
 7.1.5 修士2年目の人間関係
 7.1.6 博士課程の人間関係
 7.1.7 先輩との付き合い方
 7.1.8 後輩との付き合い方
7.2 学会でつながる
 7.2.1 学会とは何か
 7.2.2 学会への参加
 7.2.3 学会の役職
 7.2.4 研究会でつながる
7.3 社会とつながる
 7.3.1 社会との連携
 7.3.2 産業界とつながる
 7.3.3 官公庁とつながる
 7.3.4 マスメディアとつながる
 7.3.5 市民とつながる
 7.3.6 世界とつながる
7.4 デジタルでつながる
 7.4.1 オープンサイエンスの時代
 7.4.2 研究者の自己発信
 7.4.3 機関による研究成果の発信
 7.4.4 研究活動の効果的発信
 7.4.5 研究コンテンツの発信
 7.4.6 研究コンテンツの利活用
 
第8章 生きる(生活)
8.1 研究の中断
 8.1.1 研究を中断するとき
 8.1.2 結婚と研究の中断
 8.1.3 出産・子育てと研究の中断
 8.1.4 親の介護と研究の中断
 8.1.5 身体の不調と研究の中断
 8.1.6 精神の不調と研究の中断
 8.1.7 ハラスメントを受けたとき
 8.1.8 逆ハラスメントを受けたとき
 8.1.9 経済問題と研究の中断
8.2 経済的な問題とキャリア
 8.2.1 修士課程の経済生活
 8.2.2 博士課程の経済生活
 8.2.3 博士修了後の経済生活
 8.2.4 専任教員になる準備
 コラム11 研究者以外のキャリア
8.3 専任研究者として生きる
 8.3.1 専任研究者の学内業務
 8.3.2 専任研究者の学外業務
 8.3.3 専任研究者の研究力
 8.3.4 科研費を取得する
 8.3.5 研究チームを組織する
 8.3.6 研究会を主催する
 8.3.7 イベントを開催する
 8.3.8 書籍を出版する
 8.3.9 次世代の研究者を育てる
 8.3.10 研究者の使命
 8.3.11 人文学研究の評価
 8.3.12 人文学の未来のために
 
おわりに
 自己万能感と無謬主義
 失敗は大事
 対話が支える可謬主義
 対話による成長
 課題の多い人文学
 人文学研究と結婚する
 感謝を込めて
 
参考文献
索引

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