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書籍紹介

英語授業への人間形成的アプローチ ――結び育てるコミュニケーションを教室に

この本を、道を見失いかけている日本の英語教育に贈ります。
著者 三浦 孝〔著〕
刊行日 2014年9月18日
ISBN 978-4-327-41089-6
Cコード 3082
NDCコード 375
体裁 A5判 並製 264頁
定価 定価2,860円(本体2,600円+税10%)

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内容紹介
「外国語を習う」という、素晴らしい贈り物を、一人一人が自分のものとしてゆけるように援助する、それが正しい英語教育です。本書は、そういう英語教育のバックボーンを確認し築くための理論と方法を追究したものです。
 
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目次
第1章 私の英語教育12の体験から
 体験1 予期せず指導困難高校へ転勤(1979年)
 体験2 英語資格取得に没入
 体験3 授業を全面的に方針転換(1983年)
 体験4 三省堂英語教育研究論文コンテストへの応募(1985年)
 体験5 英語教育の人間形成的役割を論じた文献との出会い
 体験6 学び、トライし、実践に没頭した日々(1986年)
 体験7 普通科高校への転勤(1993年)
 体験8 短大・大学への転出(1995年)
 体験9 3冊の本の出版
 体験10 「生き方が見えてくる高校英語授業改革プロジェクト」の立ち上げ(2009年)
 体験11 私を支えた逸話「ガザへ行け」
 体験12 枯死しそうな魂に届く授業を
 
第2章 今、英語教師はどのような時代に直面しているのか
 2.1 実用的英語教育政策と国家主義的・中央集権的教育政策の強化
 2.2 「戦略構想」への批判
 2.3 高校英語教育の現在の情勢
 2.4 日本の英語教育の主人公は誰か?
 2.5「学習指導要領」と、疎外される生徒・教師
  2.5.1 学習者の成長欲求に応えることが学校教育の本筋
  2.5.2 「学習指導要領」という告示の問題点
  2.5.3 「学習指導要領」は言語教育カリキュラムたりえているか?
  2.5.4 言語教育カリキュラムと「学習指導要領」の相違点
  2.5.5 新学習指導要領のObjectivesのあいまいさ
  2.5.6 新学習指導要領にLearning Experienceの展望はあるか?
  2.5.7 英語コミュニケーション授業の成否の鍵はLearning Experience
  2.5.8 高校の「隠れ文法」をいつまで放置するのか?
  2.5.9 新学習指導要領をどう補うか
 2.6 英語教育行政、ここはぜひ改めたい
 
第3章 何を目指して教えるのか、バックボーンを確立するために
 3.1 教育基本法
 3.2 どのような人格形成・能力養成を目指すべきか:生徒の成長欲求に応える授業
  3.2.1 Carl Rogersに学ぶ
  3.2.2 Abraham Maslowに学ぶ
 3.3 人間形成的言語教育の伝統
 3.4 学問による人間解放
 3.5 現代日本のコミュニケーション不全状況を救う英語教育
  3.5.1 悪化の一途をたどる日本語コミュニケーション
  3.5.2 村落共同体崩壊後の雑踏型社会に適応できない日本語コミュニケーション
  3.5.3 ピアノ殺人事件、電車内暴力事件、佐賀バスジャック事件から秋葉原無差別殺傷事件へ
  3.5.4 Noと言えない子どもたち、告白できない男性たち
  3.5.5 新しいコミュニケーション教育の提案
 
第4章 人と人とを結ぶ英語コミュニケーション力をどうやって育てるか
 4.1 英語コミュニケーション能力はどのように育てられるか: 理論を振り返る
  4.1.1 インプット仮説:意味ある英語のインプットをふんだんに与える
  4.1.2 アウトプット仮説:安心してアウトプットできるようにしよう
  4.1.3 インタラクション仮説から言えること
 4.2 生徒向けガイダンス:英語はこうやって学習しよう
  4.2.1 英語力=英語にさらされる量×学習要因(総合的知力+動機+学習の質)
  4.2.2 本物の英語力を日本にいながら身に付けるには
  4.2.3 押さえておきたい学習のポイント
  4.2.4 外国語学習をやる気にさせるもの:「達成感」「夢」「できると信じる」「引き受ける」
  4.2.5 試験対策型の授業だけでは、土壌がやせてゆく
  4.2.6 「海外語学留学すれば自然に英語が身に付く」は本当か?
  4.2.7 将来を切り開くのは「英語力オンリー」でなく「強み+英語力」
  4.2.8 良い学校・塾の見分け方
 
第5章 これからの授業の造り方
 5.1 授業の核(core)その1:Oral Interaction的導入でテキストがわかり易く・面白くなる
  5.1.1 Oral Interationとは何か
  5.1.2 MERRIERチェックリストの活用
  5.1.3 中学校テキストのOral Interactionの実例
  5.1.4 高校テキストのOral Interactionの実例
 5.2 授業の核(core)その2:新出文法事項のOral Interactionによる導入
  5.2.1 帰納的導入から入る
  5.2.2 演繹的にまとめる
  5.2.3 新出の文法事項がわかるとどんなに便利かを理解させる
  5.2.4 ‘be going to’の導入
  5.2.5 to不定詞(名詞的用法)の導入
  5.2.6 受動態の導入
  5.2.7 帰納的導入の6原則
 5.3 授業の核(core)その3:教科書本文の内容理解活動
  5.3.1 内容理解とは何か
  5.3.2 フォーマット変換タスクの各種
 5.4 授業の核(core)その4:生徒の力を伸ばす基礎的トレーニング部分
 5.5 授業の核(core)その5:実践力と社会性を養うコミュニケーション活動
 
第6章 英語表現に内在する英語文化をどうやって教えるか
 6.1 英語学習に文化文化の学習を含めるべきかについての各論
 6.2 調査:中学校英語検定教科書は対人的文化をどう扱っているか
  6.2.1 教科書調査
  6.2.2 調査の結果
 6.3 考察
 
第7章 論理的・知的なコミュニケーション能力をどう養うか
 7.1 根拠・論拠と結論
 7.2 論理が図式的に掌握できること
 7.3 「論理的・知的に聞く/読む」ためのチェックリスト
 7.4 「論理的・知的に聞く/読む」第一歩
  7.4.1 ‘Why is the one hundred yen shop so successful?’に質問する
  7.4.2 ‘For a Healthier Life’に質問する
  7.4.3 ‘Is life with modern technology better than the simple life we had in the past?’
  7.4.4 ‘Don't work too hard’に質問する
 7.5 聞いた/読んだ内容について、生徒が感想や意見を出し合う活動の第二歩
  7.5.1 ‘Three Days to See’
  7.5.2 ‘Take it easy.’という表現に意見を述べる
 7.6 聞いた/読んだ内容について、生徒が感想や意見を出し合う活動の第三歩:頂上タスク
  7.6.1 授業の目的を明確にする頂上タスクを設ける
  7.6.2 頂上タスクの例
 7.7 軽いtaskで意見を刺激し、重いtaskでフルに論述を
 
第8章 英語行動力開発モデル:生徒が英語で授業に参加する力をどう養うか
 8.1 「日本人は英語で何ができるようになればよいのか」のビジョンを明確に
  8.1.1 英語行動力の第1の柱:英語授業参加力
  8.1.2 英語行動力の第2の柱:英語プレゼンテーション力
  8.1.3 英語行動力の第3の柱:英語交渉力
  8.1.4 英語行動力の第4の柱:英語ディベート力
 8.2 4つの行動力の小学校〜大学の一貫育成デザイン
 
第9章 指導困難クラスでどう教えるか
 9.1 英語のつまずきの要因をさぐる
 9.2 学習の困難点
  9.2.1 「意味」「音声」「文字」の連関の形成ができていない
  9.2.2 すべての語尾に母音を入れる
  9.2.3 英語の文の骨格が見分けられない
 9.3 英語嫌い・英語無用感をどう改善するか
  9.3.1 まずは授業が「わかり」、テストで点が取れるようにする
  9.3.2 本当は語り合いたがっている生徒たち
  9.3.3 指導困難クラスの教師はこの境地で前向きになれる
  9.3.4 教師がまず自分を正す
  9.3.5 生徒に率直に耳を傾けることが改善の突破口
  9.3.6 名医は患者を選ばない、名教師は生徒を選ばない
  9.3.7 英語教師は教室という船の船長
  9.3.8 苦手な授業を受けていた頃の自分を思い出そう
 9.4 「うちの生徒に勉強はかわいそうだ、しつけさえしてやればいい」は正しいか?
 9.5 授業規律をどう作るか
  9.5.1 4月の授業開きが大切
  9.5.2 コミュニケーション・ゼロからどう出発するか
  9.5.3 集団の力学を読む
  9.5.4 無用な押し問答に陥らず、わかる授業作りに集中する
 
第10章 英語教師として自分をどう伸ばしていったらよいか
 10.1 天職と位置づける
 10.2 生徒にとって、魅力ある英語の先生とは?
 10.3 生徒に学ぼうとする教師はいつまでも若々しい
 10.4 授業ジャーナルを活用して、生徒の受け止め方を知る
 10.5 経営者の視点を持とう
 10.6 魚釣りの心
 10.7 「あれはうちの学校では通用しない」はやめよう
 10.8 「青の洞門」の禅海和尚のように

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