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書籍紹介

日本語はしたたかで奥が深い ――くせ者の言語と出会った〈外国人〉の系譜

彼らは日本語に何をもたらしたのか
著者 河路由佳〔著〕
刊行日 2023年7月24日
ISBN 978-4-327-37751-9
Cコード 0081
NDCコード 810
体裁 四六判 上製 386頁
定価 定価3,520円(本体3,200円+税10%)

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内容紹介
古来、〈外国人〉が日本語を学んだきっかけは、外交、布教、商業、勉学、戦争など、多種多様であった。日本語とさまざまな出会いをした〈外国人〉にスポットをあて、国内を中心に、時に応じて国外にも目を向け、彼らのドラマを時系列に沿って丹念にたどる。
また、こうした〈外国人〉の日本語はわれわれに何をもたらしたのか、特に文学表現を中心に眺めていく。ドイツ人宣教師ホイヴェルスによる戯曲『細川ガラシア夫人』、パラオの人々の日本語による愛唱歌、戦後台湾で作られた『台湾万葉集』など、今まであまり注目されてこなかった作品も取り上げる。図版多数掲載。
(*〈外国人〉の表記は、国籍や民族を問わず、言葉だけに着目した呼称。母語ではなく、もう一つの言語として日本語に新しく出会い、使ってきた人々を指す。)
 
<著者紹介>
河路由佳(かわじ ゆか)
1959年生まれ。杏林大学特任教授。慶応義塾大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術・一橋大学)。現代歌人協会、日本文藝家協会会員。東京農工大学留学生センター、東京外国語大学大学院教授などを経て、2020年度より現職。専門は日本語教育学、日本語教育史。
主な著書に、『日本語教育と戦争――「国際文化事業」の理想と変容』(新曜社、2011)、『ドナルド・キーン――わたしの日本語修行』(共著、白水社、2014)、『日本語とにらめっこ 見えないぼくの学習奮闘記』(モハメド・オマル・アブディンと共著、白水社、2021)など。
目次
はじめに――日本語と出会った〈外国人〉
 
序章 古代から現代に至る日本語使用領域と日本語
 
第一章 いにしえの達人たちの日本語――七世紀〜十七世紀半ば(古代から江戸時代初めまで)
1 渡来人や通訳たちと日本語
2 西洋人宣教師と日本語
 
第二章 いにしえの達人たちの日本語2――十七世紀半ば〜十九世紀初め(江戸時代)
1 「鎖国時代」の来日外国人
2 ロシアの日本語学習者
3 ヨーロッパの日本語学習者
 
第三章 いにしえの達人たちの日本語3――十九世紀〜二十世紀初め(開国前後〜昭和初期)
1 近代の来日外国人たちの日本語
2 海外の日本語教育の草創期を築いた人びと
3 「もう一つのことばとしての日本語」による日本語文学
 
第四章 戦時体制下の〈外国人〉の日本語――一九三〇年代〜一九四五年夏
1 戦時体制下の日本語普及と学習者たち
2 日本語で活躍した人びと
3 戦時体制下の日本語文学
 
第五章 戦後の〈外国人〉の日本語文学――一九四五年夏〜一九八〇年代
1 敗戦のもたらした価値観の転換
2 戦後、日本語を使って活躍した人びと
3 戦後の日本語文学
 
第六章 現代の〈外国人〉の日本語文学――一九九〇年代以降
1 留学生の増加と来日外国人の多様化
2 元外国人留学生による日本語文学
 
終章 〈外国人〉とこれからの日本語
 
あとがき
参考文献

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