<著者紹介> 大竹芳夫 (おおたけ よしお) 1965年新潟市生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業。筑波大学大学院教育研究科教科教育専攻英語教育コース修了。教育学修士。博士(応用言語学)。文部科学省在外研究員(米国ハーバード大学言語学科客員研究員)等を経て、現在、新潟大学教授(教育研究院人文社会・教育科学系)。"Semantics and Functions of the It is that-Construction and the Japanese No da-Construction." (MIT Working Papers in Linguistics. 43. 米国マサチューセッツ工科大学, 2002), 『「の(だ)」に対応する英語の構文』(くろしお出版, 2009)など論著多数。
目次
第1章 文をつなぐ 1.1 文脈に解き放してつなぐ 1.2 さまざまな形式でつなぐ:並置、等位接続、従属接続 1.3 指示表現を選んでつなぐ:itとthatの選択 1.4 共通要素をくくり出してつなぐ:“She bought X, Y, and Z.”と“She bought X, she bought Y, and she bought Z.” 1.5 基本的な単語を組み合わせた表現でつなぐ:but then 1.6 名詞句でつなぐ:There wasn’t a sound, a fact which … 1.7 コンマだけでつなぐ:You want to see him, you go. 1.8 異なる形式で共通要素につなぐ:関係節と前置詞句の等位接続 1.9 伝達部を引用の途中でつなぐ: “Dr Cooper,” the President began, “do sit down.” 1.10 天候・明暗・時間などを表す文と形式主語構文を1つの主語itでつなぐ:It was drizzling rain and foggy and impossible to see very far.
第2章 文をつながない 2.1 未完結のまま発話を終結する 2.2 積極的に発話を終結する(1):That's that.とThat's it. 2.3 積極的に発話を終結する(2):“Period. Full stop. End of story.” 2.4 文をつなぐことを拒否する(1):名詞化される接続表現no ifs, ands or buts 2.5 文をつなぐことを拒否する(2):相手を苛立たせる表現whatever
第3章 話し手の心を映し出して文をつなぐ 3.1 確信の揺れを表現してつなぐ:{perhaps / maybe} not 3.2 抵抗感を表現してつなぐ:I hate to say {it / this}, but ... 3.3 へりくだった気持ちを表現してつなぐ(1):if I can put my two {cents / pennies} in 3.4 へりくだった気持ちを表現してつなぐ(2):in my humble opinion 3.5 相手の依頼や確認にひと呼吸おいてから承諾・承認表現につなぐ:why, {yes / sure} 3.6 相手に許可を求めて補足的情報をつなぐ:let me add ... 3.7 価値意識を反映してつなぐ:but 3.8 前の事実から期待される結果に反する事実をつなぐ:and 3.9 釈明をつなぐ:It is just (that)... 3.10 情報価値のある内容を婉曲に伝えてつなぐ:for {what / whatever} it's worth 3.11 真偽のほどは保証しないで伝聞情報をつなぐ:文修飾副詞allegedly 3.12 論証可能な情報であることを認定してつなぐ:文修飾副詞arguably 3.13 冷静かつ論理的に文をつなぐ:アメリカの宇宙ドラマ『スタートレック』のミスター・スポックの台詞に学ぶ
第4章 聞き手の理解に負担をかけずに文をつなぐ 4.1 結束性と首尾一貫性を保ってなめらかにつなぐ 4.2 相手の記憶に残したい情報を文末に置いてつなぐ:動詞(句)前置I have determined to go, and go I shall. 4.3 情報を訂正してつなぐ:(or, ) rather 4.4 適切な情報に切り替えてつなぐ:(or,) better 4.5 話の方向を本題から突然そらしてつなぐ:by the way 4.6 話の方向を本題からそらさないことを装ってつなぐ:{I don't mean to / not to} change the subject 4.7 他の理屈や事実に理解を示しつつ反論につなぐ:It is true (that) α but β 4.8 付言をつなぐ:for that matter 4.9 常識や予想を打ち消してつなぐ:on the contrary 4.10 相手の発話を補完してつなぐ 4.11 命令文を連続してつなぐ:Run, Forrest! Run!
第5章 場面や文脈情報と関連づけて文をつなぐ 5.1 場面や文脈情報と結びつけてつなぐ:I'm fine. 5.2 静寂の「間(ま)」をことばにしてつなぐ:“A silence. ... Another silence.” 5.3 突発的に知覚した状況を継起関係に基づいてつなぐ : “(the) next thing(, )”, “(the) next thing S + V(, )” 5.4 話題を提示してつなぐ:as for 5.5 主文が表す事態にそれが至り及ぶ状況をつなぐ:{till / until}節 5.6 ステップの完了と開始をつなぐ:once節 5.7 重要な情報の伝達を告げてつなぐ:文修飾副詞importantly 5.8 文頭に独立する名詞句を伴う文をつなぐ:An avid reader, Hancox was largely self-educated. 5.9 直前の発話内容を理由としてつなぐ:just because節 5.10 内実や例外を追述してバランスよくつなぐ:{having said that / that said}
第6章 情報の橋渡しをして文をつなぐ 6.1 過去と対比して現在の状況をつなぐ:once upon a time 6.2 過去の場面設定から具体的叙述へとつなぐ:used toからwouldへ 6.3 先行情報と比較しながら新情報をつなぐ:比較を表す形容詞句を文頭に立てる倒置構文 6.4 比例関係をつなぐ:2つの比例構文 6.5 同一内容の反復を避けてつなぐ:so+{助動詞 / be動詞}+主語構文と“Ditto.” 6.6 情報を事実認定してつなぐ:as a matter of fact 6.7 倒置してつなぐ:as+{助動詞 / be動詞}+主語構文 6.8 条件と結果を直截的につなぐ:名詞句+{and / or}+文 6.9 条件や制限を補足してつなぐ:if節、unless節、when節と共起する{that is / that is to say} 6.10 同時や直前に発生することがらをつなぐ:just whenとjust before 6.11 従属節を独立させてつなぐ:because節 6.12 分詞構文でつなぐ