英語辞書の変遷
英語辞書の源流を辿る!
|
著者 |
小島義郎〔著〕 |
刊行日 |
1999年6月1日
|
ISBN |
978-4-7674-9073-1 |
Cコード |
3082 |
NDCコード |
|
体裁 |
A5判 上製 632頁
|
定価 |
定価8,800円(本体8,000円+税10%)
|
ネット書店からのご購入(近刊予約ページにつきましては発売月初旬頃までに表示されます)
*お取り扱いのないネット書店もございます
リアル書店在庫確認
- 内容紹介
- 中世から1960年代頃までの英・米・日本の主要な英語辞書を具体例をあげながら考察し、辞書の成立した社会・文化背景、また個性豊かな辞書編集者の実像に迫る!
特色
◆辞書の分析だけでなく、その編集の経緯・略歴、また社会的な背景も解説。
◆英語辞書が個性豊かな作品であることを実感し、親しみが持てるよう工夫。
◆一般辞書だけでなく、学習辞典についても詳述。
◆図版や写真(約230枚)を入れて実物に近い印象を再現
◆英語辞書学を志す人だけでなく、英語辞書に興味を持つ人にも待望の書。
- 目次
- 第1章 辞書の輪郭
1 辞書とは何か
1.1 辞典と事典/1.2 百科的辞典について
2 辞書の種類
2.1 使用言語数による分類/2.2 通時的辞書と共時的辞書/2.3 辞書類型学/2.4 学習辞典とは何か
3 言語の多様性と辞書記述
3.1 辞書の記述対象としての言語/3.2 変種の記述について/3.3 語用論的含意の記述
4 収録語彙について
4.1 辞書の収録語彙の限界/4.2 辞書の収録語彙の計算/4.3 大項目型と小項目型
5 英語辞書の時代区分
第2章 16世紀までの英語辞書
1 15世紀以前の英語辞書
1.1 Promptorium Parvulorum/1.2 Ortus Vocabulorum
2 16世紀の二言語辞典
2.1 エリオットの The Dictionary/2.2 クーパーのラ英辞典/
2.3 トマス・トマスのラ英辞典/2.4 16世紀のその他の辞書
第3章 英語の一言語辞典の出現
1 外来語の流入と inkhorn terms
2 最初の英英辞典、コードリーの A Table Alphabeticall
3 ブロカーの An English Expositor
4 コッカラムの The English Dictionarie
第4章 英語辞書の確立
1 17世紀後半の英語辞書
1.1 ブラントの Glossographia/1.2 フィリップスの The New World of English Words
1.3 コールズの An English Dictionary/1.4 語源辞典について
2 18世紀後半の英語辞書
2.1 新しい英語辞書の芽生え:J.K. の A New English Dictionary
2.2 カージーの Dictionarium Anglo-Britannicum
2.3 ベイリーの An Universal Etymological English Dictionary
2.4 ベイリーの Dictionarium Britannicum
2.5 マーティンの Lingua Britannica Reformata
2.6 18世紀前半のその他の英語辞書
第5章 英語辞書の躍進
1 英語辞書の2度目の大躍進
2 アカデミー運動
3 ジョンソンの『企画書』
4 ジョンソンの辞書作り
5 『ジョンソン辞典』の「序文」
6 『ジョンソン辞典』の特徴
7 ベイリーの Dictionarium 2 と『ジョンソン辞典』の語彙の比較
8 『ジョンソン辞典』の影響
第6章 英語類義語辞典の出現
1 初期の英語類義語辞典
2 トラスラーの類義語辞典
3 ピオッツィ夫人とサミュエル・ジョンソン
4 社交会話のために作られた British Synonymy
第7章 ノア・ウェブスターと辞書戦争
1 権威の象徴としてのウェブスター
2 ノア・ウェブスターの人物像
3 ウェブスターの辞書
3.1 A Compendious Dictionary/3.2 American Dictionary
4 辞書戦争(The War of the Dictionaries)
4.1 第一次辞書戦争(The First Round)/4.2 第二次辞書戦争(The Second Round)
第8章 『ジョンソン辞典』から OED までのイギリスの辞書
1 発音辞典
1.1 シェリダンの辞書/1.2 ウオーカーの辞書
2 一般辞典
2.1 ペリーの『類義語・語源・発音辞典』/2.2 トッドによる『ジョンソン辞典』の改訂
2.3 リチャードソンの辞書/2.4 オーグルービーの『インペリアル辞典』
第9章 19世紀の英語類義語辞典
1 類義語辞典の二つの型
2 19世紀前半の類義語辞典
2.1 クラブの類義語辞典/2.2 グレアムの English Synonymes
3 19世紀後半の類義語辞典
3.1 ロジェの『シソーラス』(3.1.1 ロジェの『シソーラス』の構造
3.1.2 『シソーラス』の種々の版について 3.1.3 ロジェの生涯)/
3.2 ソウルの類義語辞典/3.3 ファーナルドの類義語・反意語辞典
第10章 日本の初期の英語辞書
1 日本最初の英語辞書
1.1 最初の英語辞書の背景/1.2 『諳厄利亜興学小筌』/1.3 『諳厄利亜語林大成』
1.4 『英和對譯袖珍辞書』(1.4.1 『語林大成』から『英和對譯』までの推移
1.4.2 『英和對譯』の特徴と内容 1.4.3 堀達之助について 1.4.4 『英和對譯』の改訂版と
『薩摩辞書』)
1.5 日本最初の和英辞典『和英語林集成』
2 幕末から明治初期にかけての英語箋
3 明治初期の英語辞書
3.1 『附音挿図英和字彙』/3.2 『明治英和字典』/3.3 『附音挿図和譯字彙』と
『雙解英和大辞典』
3.4 『ウェブスター氏新刊大辞書和譯字彙』/3.5 ブリンクリーの『和英大辞典』
第11章 19世紀末の英語大辞典
1 アメリカの大辞典志向
2 『センチュリー辞典』
2.1 Century と OED/2.2 編者ホイットニーについて/2.3 Century の出版の経緯と概要/2.4 Century の内容
3 『スタンダード英語辞典』
4 『ウェブスター国際辞典』
5 大辞典のその後
第12章 OED とその簡略版および関連する辞書
I 『オックスフォード英語辞典』
1 英語辞書の3度目の大躍進
2 OED の編集経緯の概要
2.1 英国言語学会の新英語辞書作成の決定/2.2 新しい英語辞書の編集開始/2.3 OED 編集の最初の
危機
2.4 マリーを編者にしての再出発/2.5 OED 編集の危機/2.6 困難の克服と OED の完成
3 編者マリーについて
4 OED の編集方針と記述内容
5 OED の問題点
II OED の簡略版
1 SOD
2 COD とPOD
2.1 日本における COD と POD/2.2 編者ファウラー兄弟の生涯/2.3 COD の特徴/
2.4 POD の特徴
III OED に関連する辞書
1 英語の期間辞書作成の計画と概況
2 DAE
第13章 明治中期以降の日本の英語辞書
1 三省堂と研究社を中心とした英語辞書の系譜
2 『新譯英和辞典』
3 ヘボンの影響を脱した『新譯和英辞典』
4 語学的英語辞書『詳解英和辞典』
5 『井上英和大辞典』
6 斎藤秀三郎の『熟語本位英和中辞典』
6.1 『英中』の内容について/6.2 斎藤秀三郎の生涯/
6.3 『熟語本位英和中辞典』の出版から今日まで/6.4 斎藤秀三郎の「イディオモロジー」について
7 『武信和英大辞典』と研究社『新和英大辞典』
7.1 『武信和英大辞典』/7.2 『新和英大辞典』(『武信』の2版)とその後の版
8 三省堂の『模範新英和大辞典』
9 『井上和英大辞典』
10 藤岡勝二著『大英和辞典』
11 三省堂の『コンサイス英和辞典』と『コンサイス和英辞典』
12 竹原常太編『スタンダード和英大辞典』
13 研究社の『岡倉英和』とその後の『新英和大辞典』
13.1 『岡倉英和』/13.2 研究社『新英和大辞典(第2版)』とその後の版
14 『三省堂英和大辞典』
15 斎藤秀三郎の『和英大辞典』
15.1 「日本人の英語」について/15.2 『斎藤和大』における大量の詩歌の英訳について/
15.3 その他の内容について
16 『冨山房大英和』
17 斎藤静編『雙解英和辞典』
18 勝俣銓吉郎編『英和活用大辞典』
第14章 EFL 学習辞典
1 研究社の『スクール英和』と『スクール和英』
2 ウエストの The New Method English Dictionary
3 三省堂『新明解英和辞典』
4 河村重治郎と『クラウン英和辞典』シリーズ
4.1 『クラウン英和』/4.2 『新クラウン英和辞典』/4.3 その他の学習辞典/
4.4 学習辞書名人河村重治郎
5 岡倉由三郎編『僕の英語辞典』
6 岩崎民平編『簡約英和辞典』
7 ホーンビーと ISED
7.1 日本におけるホーンビー/7.2 ISED の完成/7.3 ISED の特徴/7.4 ISED のその後
8 研究社『簡易英英辞典』
9 岩崎民平編『ポケット英和辞典』
第15章 『ウェブスター新国際辞典第3版』まで
1 OED 以降の英米の辞書
1.1 ワイルドの The Universal Dictionary/1.2 The American College Dictionary/
1.3 Webster's New World Dictionary
2 Webster's New International Dictionary, Second Edition
3 Webster's Third New International Dictionary
3.1 WNID 3 と編者ゴーブ/3.2 WNID 3 の特徴/3.3 WNID 3 をめぐっての論争
各章の注
第1章の注/第2章の注/第3章の注/第4章の注/第5章の注/第6章の注/第7章の注/第8章の注/
第9章の注/第10章の注/第11章の中/第12章の注/第13章の注/第14章の注/第15章の注
資料とした辞書
1 実物
2 復刻版
参考文献
使用した辞書の略号
英語辞書年表
索引
○辞書/○人名/○事項