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書籍紹介

文学力の挑戦 ――ファミリー・欲望・テロリズム

[ヘテロ]セクシズムと暴力の不可分の関係を検証
著者 竹村和子〔著〕
刊行日 2012年6月1日
ISBN 978-4-327-48161-2
Cコード 3098
NDCコード 934
体裁 四六判 上製 358頁
定価 定価4,180円(本体3,800円+税10%)

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内容紹介
 アメリカの文学作品を中心に、テクストに描かれている文化表象を読み解くことにより、近代社会のファミリーという、もっとも身近な親密圏の検証に始まり、ジェンダー/セクシュアリティ、また、これと深く関わる暴力、そして、その延長上にあるテロリズムについて考察する。また、「物語」の喚起力と、それゆえのイデオロギーに加担してしまう陥穽、およびイデオロギーを攪乱するしたたかさの両方の緊張を提示し、物語表現の恐ろしさと魅力を語る。フェミニズム批評の第一人者による、英語圏文学における、はじめての単著であり、また遺作ともなった渾身の書。
 
<著者紹介>
竹村和子 (たけむら かずこ)[1954-2011]
元・お茶の水女子大学大学院教授。
専門は、英語圏文学、批評理論、フェミニズム思想。
著書に、『フェミニズム』(岩波書店 2000)、『愛について――アイデンティティと欲望の政治学』(岩波書店 2002)、『“ポスト”フェミニズム』(編著 作品社 2003)など。
訳書に、トリン・T・ミンハ『女性・ネイティブ・他者――ポストコロニアリズムとフェミニズム』(岩波書店 1995)、ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの攪乱』(青土社 1999)、同『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』(青土社 2002)、同『触発する言葉――言語・権力・行為体』(岩波書店 2004)、サラ・サリー『シリーズ現代思想ガイドブック ジュディス・バトラー』(青土社 2005)、ジュディス・バトラー/ガヤトリ・スピヴァク『国家を歌うのは誰か?――グローバル・ステイトにおける言語・政治・帰属』などがある。
目次
第I部
第1章 母なき娘はヒロインになるか ―― 孤児物語のポストファミリー
第2章 子どもの認知とポストファミリー ―― 「パールの使命は果たされた」のか?
第3章 親族関係のブラック/ホワイトホール ―― 『アブサロム、アブサロム!』を乱交的に読む
 
第II部
第4章 別れる理由、あるいは別離という生 ―― シリーズとしてのレズビアン・パルプフィクション
第5章 ミスター・アンド・ミセス・ダロウェイ ―― 二つのテクストの「沈黙」が交差するところ
 <コラム> 気が滅入る作家 ―― ヘミングウェイと志賀直哉
 
第III部
第6章 <テロリストの身体>のその後 ―― 『カサマシマ公爵夫人』の終わり方
第7章 「戦場」としての身体 ―― グローリア・アンザルデュアにおける読むことができないことの未来
第8章 対抗テロリズム小説は可能か ―― 『マオII』(一九九一年)から『星々の生まれるところ』(二〇〇五年)へ
 
第IV部
第9章 虎穴に入れば…… ――〈フェミニズム・文学・批評〉の誕生と死
第10章 ジェンダー・レトリックと反知性主義
第11章 ある学問のルネサンス?――英(語圏)文学をいま日本で研究すること(講演)
 
あとがきにかえて(河野貴代美・小林富久子)
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