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書籍紹介

評伝 ワーズワス

渾身のワーズワス評伝
著者 出口保夫〔著〕
刊行日 2014年10月17日
ISBN 978-4-327-47231-3
Cコード 3098
NDCコード 934
体裁 A5判 上製 410頁
定価 定価4,950円(本体4,500円+税)

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内容紹介
著者のことばより――
ウィリアム・ワーズワス(1770−1850)は幼少期に両親の死と家庭の崩壊という「喪失」の経験を有し、青年期の「嵐の時代」にはフランス革命に共鳴 し、フランス女性との間に一児をもうけるが、革命に幻滅し、甘美な恋は悔恨に終わった。その後、自然との対話を通して、人間愛に目覚め、精神的再生を得る ことができた。青春の放浪の旅の末、故里の湖水地方に帰り、「抒情歌謡集」「序曲」「逍遥」そのほか、歴史に残る大作を書きつづける。そして、桂冠詩人と して、80年の生涯を閉じた。 ワーズワスの80年と同じ歳月を刻んで、彼の人間としての生き方と、その作品と思考を、同じ目線でとらえてみることができるようになった。ワーズワスは自 然との共生をモチーフとして、それによるシンプルライフを貫いた人で、ヨーロッパでは自然との対話を初めて生涯のテーマにした詩人である。だが、彼は単なる自然詩人ではなく、その人間愛に基づく思想は、ミルトンにも匹敵する。ワーズワスを単にロマン派詩人と見なすのは誤りであって、時代を超えた思想と現代 的な感覚を備えた人物ととらえるべきであろう。  ワーズワスへの関心は、静かに広がっていると感じる。
 
生ける者に対する愛が
あなたの心の片隅に
居場所を見失うことはないだろう。
(ウィリアム・ワーズワス「ある八十歳の老人に」より)
 
 おそらく生きる条件が今よりもずっと厳しかった時代に、詩人ワーズワスは、故里の美しい自然と人の世の「涙の谷間」で、地上のものにとどまらず、天上のものに至るまで、美と愛の諸相を一途に忍耐強く探求しつづけた。そして、ワーズワスの詩想は、「人間性にともなう悲しい音楽」を基調として、地域と時代を超え、現代のわれわれのみならず、後世の人たちにも、永遠の音色を奏でてくれるのだろう。(本書より)
 
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<著者紹介>
出口保夫 (でぐちやすお)
1929年、三重県生まれ。早稲田大学教育学部大学院修了。英文学専攻。早稲田大学名誉教授。主な著書、訳著、編著に『キーツとその時代 上・下』(中央公論新社)、『キーツ全詩集 1・2・3』(白凰社)、『イギリス文芸出版史』『イギリス四季と生活の詩』(研究社)、『21世紀 イギリス文化を知る事典』(東京書籍)、『ロンドンの夏目漱石』(河出書房新社)、R・ブレア著『詩画集 死よ 墓より語れ』(早稲田大学出版部)、『ロンドン塔』『物語 大英博物館』(中公新書)、『英国生活誌〈1〉 復活祭は春風に乗って』 『英国生活誌〈2〉 紅茶のある風景』『午後は女王陛下の紅茶を』『イギリス四季暦 春夏篇』『イギリス四季暦 秋冬篇』(中公文庫)、『英国紅茶の話』『イギリスはかしこい』(PHP文庫)、『ワーズワス 田園への招待』(講談社+α新書)ほか多数。

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