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書籍紹介

英語教育と「訳」の効用
Translation in Language Teaching

先端の英語教育理論に学ぶ「訳」の可能性
著者 ガイ・クック〔著〕 / 斎藤兆史、北 和丈〔訳〕
刊行日 2012年4月20日
ISBN 978-4-327-41079-7
Cコード 3082
NDCコード 807
体裁 A5判 並製 280頁
定価 定価3,080円(本体2,800円+税10%)

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内容紹介
 外国語教育において、とかく悪者扱いされながらもしぶとく生き残ってきたのが「訳」(translation)である。本書は、19世紀末に始まった外国語教育の改革運動のなかで、いかに「訳」がいわれなく排斥されてきたかを検証し、改めて外国語教育における「訳」の効用と意義を説く。イギリス応用言語学会の大物が語る「訳の復権」論は、「英語は英語で」ばかりがもてはやされる日本の英語教育界にも一石を投じる。
 
<著者・訳者紹介>
ガイ・クック (Guy Cook)
英Open University教授。英国の応用言語学会会長。Applied Linguistics元編集長(2001-2009年)。
 
齋藤兆史 (さいとう よしふみ)
1958年栃木県生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院修士課程修了。米国インディアナ大学英文科修士課程修了、英国ノッティンガム大学英文科博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学教育学研究科・教育学部教授。主な著書に『英語達人列伝』『英語の作法』『英語襲来と日本人』『日本人の英語』『英文法の論理』など。キプリング、ナイポールなどの作家の訳書もある。
 
北 和丈 (きた かずたけ) 
1978年富山県生まれ。2001年東京大学教養学部超域文化科学科卒業、2003年同大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2004年レディング大学現代英語学科修士課程修了。2012年東京大学総合文化研究科博士課程修了。現在、新潟青陵大学短期大学部助教授。専攻は応用言語学。著書に『言語と文学』(共著、朝倉書店)。
目次
はじめに
 
序章
   
第1部 歴史
 
第1章 拒絶――「改革」と直接教授法
 訳の追放
 英雄を自称する者たち――改革運動
 英雄を自称する者たち――直接教授法
 悪役――文法訳読法
 スウィートな言葉
 
第2章 長い沈黙――直接教授法から意味重視へ
 第一の革命―形式重視の直接教授法
 第二の革命――意味重視
 作業課題中心型言語教育
 成果の相対性
 異を唱える声
 
第3章 復興の機運――二言語併用の再考
 学問における機運
 政治における機運
 地球規模化
 多言語使用の広がり
 言語切り替えと言語混合
 自己規定
 教室における既得言語使用
 既得言語の復活、そして訳へ
 
第4章 訳すとは何か
 本章の基本原理
 訳すことの定義
 等価性を求めて
 等価性を超えて――問題を明示する
 明示的な訳と暗示的な訳、異化翻訳と同化翻訳
 翻訳者と学習者
  
第2部 議論
 
第5章 証拠に基づいた議論
 価値観と技術
 第二言語習得理論が前提としているもの
 第二言語習得研究以外による証拠
 影響を巡る否定論・肯定論
 逐語的直訳
 「改善」
 
第6章 教育のあり方を巡る議論
 教育課程の哲学
 技術的教育としての教育訳
 社会変革としての教育訳
 人間主義教育としての教育訳
 学問的教育としての教育訳
 
第7章 教育の方法を巡る議論
 イバラの道
 どのような教師か
 どのような学習者か
 どのような活動か
 
結論

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