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書籍紹介

ポライトネスの語用論
The Pragmatics of Politeness

語用論やポライトネス研究の第一人者の最後の著書
著者 ジェフリー・リーチ〔著〕 / 田中典子〔監訳〕 / 熊野真理、斉藤早智子、鈴木 卓、津留﨑 毅〔訳〕
刊行日 2020年6月19日
ISBN 978-4-327-40172-6
Cコード 3080
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 528頁
定価 定価6,930円(本体6,300円+税)

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内容紹介
本書は、語用論やポライトネス研究の第一人者であるジェフリー・リーチが最後に出版した本(The Pragmatics of Politeness, 2014)で、ポライトネス研究のこれまでの流れを概観するとともに、コーパスのデータを用いて「謝罪」「依頼」「感謝」などの発話事象を具体的に考察し、さらには語用論の研究方法やリサーチ方法についても解説。随所に日本語への言及もあるので、日本の読者も興味を持って読むことができる。語用論やポライトネスを研究する大学生・大学院生、並びに研究者に大いに役立つ一冊。
 
<著者紹介>
著者:ジェフリー・リーチ(Geoffrey Leech)[1936-2014]
ランカスター大学名誉教授。著書に Semantics (『現代意味論』研究社)、Explorations in Semantics and Pragmatics (『意味論と語用論の現在』理想社)、 Principles of Pragmatics ( 『語用論』紀伊國屋書店)など。
 
監訳者:田中典子(たなか のりこ)
清泉女子大学教授。訳書にジェニー・トマス『語用論入門』、ヘレン・スペンサー=オーティー『異文化理解の語用論』、ブラウン&レヴィンソン『ポライトネス:言語使用における、ある普遍現象』(いずれも共訳、研究社)など。
目次
第1部 基礎を固める
 
第1章 序  論
 1.1 ポライトネスの8つの特徴
 1.2 覚えておくべきいくつかの区別
  1.2.1 三価と二価のポライトネス 
  1.2.2 Pos-ポライトネスとNeg-ポライトネス
  1.2.3 語用言語学と社会語用論
  1.2.4 語用言語学的ポライトネスと社会語用論的ポライトネス
  1.2.5 聞き手に対するポライトネスと第三者に対するポライトネス
  1.2.6 ポライトネスの社会的説明と心理的説明
   1.2.6.1 ポライトネスの社会的説明:礼譲
   1.2.6.2 ポライトネスの心理的な説明:フェイス
 
第2章 ポライトネス:様々な視点
 2.1 何が説明されるべきか? 5つの被説明事象
 2.2 ポライトネス理論またはポライトネス・モデルの概観
  2.2.1 Robin T. Lakoff
  2.2.2 Brown and Levinson
  2.2.3 Geoffrey Leech
  2.2.4 Yueguo Gu
  2.2.5 Sachiko Ide
  2.2.6 The Cross-Cultural Speech Act Realization Project (CCSARP)
  2.2.7 Bruce Fraser and William Nolen
  2.2.8 Horst Arndt and Richard Janney
  2.2.9 フレーム・アプローチ:Aijmer, Terkourafi, 他
  2.2.10 Spencer-Oateyとラポール・マネジメント
  2.2.11 Richard J. Watts
 2.3 本書で示すモデルと他のモデルとの比較
 2.4 その他の基本的な問い
  2.4.1 ポライトネスを解剖する
  2.4.2 ポライトネスは、話し手、聞き手、あるいは双方の、心にあるのか?
  2.4.3 ポライトネスにはどのような論拠が挙げられるか
  2.4.4  ポライトネスはどの学問分野に属しているか
 2.5 結  論
 
第3章 語用論、間接性、neg-ポライトネス:ポライトネス・モデル構築のための基礎
 3.1 語用論に関する問題解決的視点:Sの問題とHの問題
 3.2 単文、命題、語用論的効力
  3.2.1 行為指定のカテゴリー
  3.2.2 統語論的、意味論的、語用論的レベルにおける抽象化のための用語
 3.3 感嘆文とその他の孤立表現(語用論的小辞を含む)
 3.4 デフォルト解釈とデフォルト決定
 3.5 語用論的意味の表示
 3.6 新グライス流のデフォルト思考
 3.7 言語規約による含意と語用論化
 3.8 要約と結論
 
第4章 ポライトネス:そのモデル
 4.1 Brown and Levinson (1978/1987) とLeechの Principles of Pragmatics (1983) への批判
  4.1.1 私の Principles of Pragmatics に対するBrown and Levinsonその他による批判
 4.2 Principles of Pragmatics (Leech 1983) におけるポライトネス理論を述べ直す
  4.2.1 ポライトネスの原則
  4.2.2 2種類のポライトネス尺度線
  4.2.3 発語内行為のゴールと社会的ゴール
 4.3 Principles of Pragmatics におけるポライトネスの行動指針を再考する
  4.3.1 GSPを追求し、Sは表4.1(M1) 〜(M10) の価値判断を示す意味を表現 / 暗示する
  4.3.2 さらに調査を要する事柄
 4.4 重要な注意書き及び補足説明
  4.4.1 人はポライトであると同様インポライトである
  4.4.2 ポジティブ・ポライトネスとpos-ポライトネス
  4.4.3 会話のアイロニーとからかい
  4.4.4 制約は競合したり衝突したりする
  4.4.5 適度なポライトネスを算定するため、私たちは(社会語用論的)尺度を用いる
  4.4.6 ポライトネスをHに帰する
 4.5 ポライトネスに関する言語・文化間の違い
  4.5.1 ポライトネスの語用言語学的側面
  4.5.2 ポライトネスの社会語用論的側面
   4.5.2.1 ポライトネスの規範に影響を与える尺度上の量的差異
   4.5.2.2 ポライトネスの規範に影響を与える尺度上の質的差異
  4.5.3 三価ポライトネス:3つの次元だけでいいか
 4.6 敬語に関するポライトネスについての補遺
 4.7 フェイスについての補遺
 4.8 ポライトネスの普遍性についての暫定的結論
 
第2部 英語使用におけるポライトネスとインポライトネス
 
第5章 ケース・スタディ:謝  罪
 5.1 謝罪:プロトタイプ・カテゴリーとして見る発話事象
 5.2 余談:謝罪その他の発話事象
 5.3  典型的謝罪と非典型的謝罪
 5.4 謝罪:語用言語学的側面
  5.4.1 Sorry
  5.4.2  Excuse me / Pardon (me)
  5.4.3 I apologize, I beg your pardon
 5.5  謝罪:社会語用論的側面
 5.6  謝罪に対する応答
 5.7  公的な謝罪
 5.8 結  論
 
第6章 依頼と、その他の行為指示
 6.1 依頼とは何か? 依頼とそれに関連する発話事象
 6.2 依頼領域の変数
  6.2.1  Oに焦点を当てた依頼とSに焦点を当てた依頼
  6.2.2 オン・レコードとオフ・レコードのストラテジー
  6.2.3 連続性についての余談
 6.3 行為指示のためのストラテジー
  6.3.1 直接的ストラテジー
  6.3.2 オン・レコードの間接的ストラテジー:陳述
  6.3.3 オン・レコードの間接的ストラテジー:質問
  6.3.4 文を用いないストラテジー
  6.3.5 ヒント:オフ・レコードの間接的依頼
 6.4 語用論的修飾表現
  6.4.1 内的修飾表現
  6.4.2 外的修飾表現
  6.4.3 支持的ムーブ
 6.5 依頼への応答
 6.6 結  論
 
第7章 その他のポライトネスに敏感な発話事象
 7.1 申し出、招待、請負
 7.2 ほめと批判
  7.2.1 ほめへの反応
  7.2.2 間接的な、または緩和された批判
 7.3 感  謝
  7.3.1 感謝への応答
 7.4 同意、不同意、助言、そしてOに焦点を当てた提案
  7.4.1 同意と不同意
  7.4.2 助言とOに焦点を当てた提案
 7.5 祝い、哀悼、祈願
  7.5.1  祝い
  7.5.2 哀悼、弔意
  7.5.3 祈願、挨拶、告別
 7.6 結  論
 
第8章 ポライトネスと、その「反対概念」
 8.1 ノンポライトネス:ポライトネスもしくはインポライトネスの不在
 8.2 インポライトネス
  8.2.1 ポライトネス理論はどの程度までインポライトネス理論になりうるか
  8.2.2 インポライトネスのタイプを例証する:『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』より
  8.2.3 話者交替、発言権保持、及び談話管理のその他の側面におけるインポライトネス
  8.2.4 ポライトネスとインポライトネスが対にならない場合:「無礼」の定義
  8.2.5 無礼に関する結び
 8.3 冷笑または会話のアイロニー
  8.3.1 アイロニーの原則:疑似ポライトネス
  8.3.2 会話のアイロニーへの2つの引きがね:控えめ表現と態度衝突
 8.4 からかい:疑似インポライトネス
  8.4.1 最後の覚え書き:語用論的諸原則の階層とは?
 
第3部 さらなる展望
 
第9章 データ収集の方法:実証的語用論
 9.1 各方法の概観
 9.2 ランクづけ、多肢選択、面接の各タスク
 9.3 談話完成テスト (DCT)
 9.4 クローズド・ロールプレイとオープン・ロールプレイ
 9.5 本物の談話の観察
  9.5.1 フィールドノート
  9.5.2 談話分析
  9.5.3 コーパス分析  
 9.6 結  論
 
第10章 中間言語語用論と異言語・異文化間ポライトネス
 10.1 中間言語語用論の背景
 10.2 ILP研究の枠組み
 10.3 異なるL1を持つ英語学習者に関する研究
 10.4 ILPデータ収集の方法
 10.5 ILP研究とポライトネス
 10.6 ILPとポライトネスの原理
 10.7 ILPと異文化間語用論
 10.8 GSPモデルに基づいたILP仮説
 10.9 結  論
 
第11章 ポライトネスと英語史
 11.1 歴史語用論とポライトネス
 11.2 古英語におけるポライトネス(1100年以前)
 11.3 中英語におけるポライトネス(1100〜1500年)
 11.4 近代英語におけるポライトネス(1500 年以降)
 11.5 最近そして現在の変化
 11.6 結び:ポライトネスの衰退?
 
付録 語用論とneg-ポライトネス:その背景
 A1 現代のポライトネス研究の先駆者たち:素描
  A1.1 語用論への哲学的前書き:(A) 発話行為
  A1.2 語用論への哲学的前書き:(B) Grice の協調の原則
  A1.3 語用論への哲学的前書き:(C) 間接発話行為
 A2 サール-グライス流語用論への新たな「見方」
 A3 結 論

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