入門 語用論研究 ――理論と応用
語用論の基礎から応用までを通して言語の本質に迫る
|
著者 |
小泉保〔編〕 |
刊行日 |
2001年10月15日
|
ISBN |
978-4-327-40126-9 |
Cコード |
3080 |
NDCコード |
801 |
体裁 |
A5判 並製 254頁
|
定価 |
定価2,970円(本体2,700円+税10%)
|
ネット書店からのご購入(近刊予約ページにつきましては発売月初旬頃までに表示されます)
*お取り扱いのないネット書店もございます
リアル書店在庫確認
- 内容紹介
- 「これは、どうも」とだけ言われた時、その意味は「ありがとう」とも「すみません」とも「困った」や「変だぞ」とも受け取ることができる。それらのうちどの解釈が妥当かは、会話の状況に応じて聞き手が推測するのである。語用論はこうした言外の意味を究明することが目的である。本書は、基礎となる直示、推意、前提、言語行為、丁寧さ、談話分析などについて平易に解説し、また応用として文学や認知言語学、言語習得、語法研究との関連までを含んだ入門書である。
- 目次
- はしがき
1.序説
1.0 語用論の研究目標
1.1 語用論の研究方法
1.2 語用論の応用
2.直示(Deixis)
2.0 はじめに:ことばの宇宙の中心
2.1 人称直示
2.2 空間の直示
2.3 時間の直示
2.4 談話の直示
2.5 社会的直示
2.6 直示的動詞
2.7 おわりに
練習問題
3.推意(Implicature)
3.0 はじめに:文字通りの意味と言外の意味
3.1 「協調の原則」と4つの「公理」
3.2 公理と推意
3.3 会話的推意の特徴:取り消し可能性
3.4 関連性理論
3.5 おわりに
練習問題
4.前提(Presupposition)
4.0 はじめに
4.1 前提の多様なタイプ
4.2 前提の特徴
4.3 前提とその対立概念
4.4 論理学と言語学
4.5 論理的前提と語用論的前提:意味論と語用論の関係
練習問題
5.言語行為(Speech Act)
5.0 はじめに
5.1 オースティンの言語行為論
5.2 サールの理論とその発展系
5.3 間接的言語行為
練習問題
6.談話分析(Discourse Analysis)
6.0 はじめに
6.1 談話とは
6.2 談話分析とは
6.3 談話分析研究のアプローチ
6.4 おわりに
練習問題
7.丁寧さ(Politeness)
7.0 はじめに:「丁寧さ」とは何か
7.1 リーチの丁寧さの原理:
協調の原則から丁寧さの原理へ
7.2 面目と丁寧さ:ブラウンとレビンソンのモデル
7.3 丁寧さと適切性
練習問題
8.語用論の応用
8.0 はじめに
8.1 ジョークの語用論
8.2 川柳の語用論
6.3 レトリックの語用論
練習問題
9.語用論と他の分野
9.1 小説
9.2 認知語用論
9.3 語用論的能力の発達
9.4 語法研究
練習問題の解答
参考文献
索引