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書籍紹介

語用論入門 ――話し手と聞き手の相互交渉が生み出す意味

著者 ジェニー・トマス〔著〕 / 浅羽亮一〔監修〕
刊行日 1998年4月
ISBN 978-4-327-40118-4
Cコード 3082
NDCコード
体裁 A5判 並製 252頁
定価 定価3,080円(本体2,800円+税)

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内容紹介
ことばの意味というものは、話し手と聞き手の相互の関わりの中から生まれる。――会話での「含意」、間接的な言い回し、ポライトネスなど、語用論の基本概念を豊富な用例を用いて解説した格好の入門書。普段なにげなく使っていることばの不思議が見えてくる。
目次
第1章 語用論とは何か

 1.1 はじめに
 1.2 語用論の定義
 1.3 抽象的意味から文脈上の意味へ
  文脈の中での意味/文脈の中での指示/構造的あいまいさ/意味、指示、構造の相互交渉/あいまいさと意図
 1.4 発話の意味:「話者の意図する意味」の第1のレベル
  発話の意味の重要性
 1.5 効力:「話者の意図する意味」の第2のレベル
  発話の意味と効力の両方を理解している場合/発話の意味は理解しているが効力を理解していない場合/効力は理解しているが発話の意味を理解していない場合/発話の意味も効力も理解していない場合/発話の意味と効力の相互関係
 1.6 語用論の定義(再考)
 話者の意図する意味/発話解釈/語用論:相互交渉における意味
 1.7 要約


第2章 発話行為

 2.1 J.L. オースティン
 2.2 日常言語哲学
 2.3 論理実証主義と真理条件的意味論
 2.4 行為遂行の仮説
  メタ言語的行為遂行文/儀式的行為遂行文(適切さの条件/適切さの条件への明示的言及)/共同的行為遂行文/グループ行為遂行文/カテゴリーの重複/行為遂行文の使用における異文化間の相違について/オースティンの行為遂行の仮説の崩壊(行為遂行動詞の文法的特性/行為遂行文は常に行為を遂行するか/いかにして行為遂行文を用いずにことをなすか)/明示的行為遂行文と含意的行為遂行文
 2.5 行為としての発話
  発語、発語内行為、発語媒介行為/発話行為
 2.6 結び


第3章 会話による含意

 3.1 はじめに
 3.2 H.P.グライス
 3.3 含意
  言語規約による含意/会話による含意/含意と推論
 3.4 協調の原則
 3.5 4つの「会話の行動指針」
  行動指針の遵守/行動指針の非遵守
 3.6 行動指針を無視する
  複数の行動指針が競合してしまうため、やむを得ず無視する/行動指針を逆に利用する無視(質の行動指針を逆に利用する無視/量の行動指針を逆に利用する無視/関係の行動指針を逆に利用する無視/様式の行動指針を逆に利用する無視)
 3.7 会話の行動指針からの逸脱のその他のケース
  行動指針違反/行動指針の遵守不能/行動指針からの離脱/行動指針を留保する
 3.8 含意を見分ける方法
  分離不可、習慣化不可/含意は変化する/計算の可能性/無効処理の可能性
 3.9 結び


第4章 語用論へのアプローチ

 4.1 はじめに
 4.2 グライス理論の問題点
  非遵守はいつ意図的と言えるのか/非遵守のタイプの区別/行動指針間の質的相違/行動指針の重複/含意算定の問題
 4.3 グライスのインフォーマルなアプローチ
 4.4 J.R. サール
  間接的発話行為/サールによる発話行為の成立条件(発話行為の区別/サールの規則の不備を補う/「謝罪」という発話行為:事例研究/規則の過剰一般性/「警告」という発話行為:事例研究)
 4.5 サールによる発話行為カテゴリー化のためのフォーマルなアプローチ
 4.6 規則 vs. 原則
  規則の適用は全部か無だが、原則の適用には程度の差がある/規則は排他的だが、原則は共起できる/規則は構成的、原則は統制的/規則は確定的、原則は蓋然的/規則は慣習的、原則には動機が存在する
 4.7 結び


第5章 語用論と間接的な言い回し

 5.1 はじめに
 5.2 語用論と間接的な言い回し
  話し手の意図的な間接的な言い回し/間接的な言い回しは、労力を必要とし、危険を伴う/合理性を想定してよいか/表現可能性の原則/間接的な言い回し――その解析
 5.3 どの程度の間接的な言い回しが適切かの判断
  支配力/社会的距離/相手にかける負担の大きさ/権利と義務/語用論上の要素の相互作用
 5.4 間接性の度合いを測定する
  間接性の解釈における状況の役割/間接性の解釈における信念の役割/背景知識と間接性の解釈/間接性の解釈における文脈の役割/目的と間接性の解釈
 5.5 なぜ間接的な言い回しを使うのか
  おもしろみ/自分のメッセージを印象の強いものにする/競合する目的
 5.6 結び


第6章 ポライトネスの理論

 6.1 はじめに
 6.2 ポライトネスという概念の適用範囲を定める
  現実世界の目的としてのポライトネス/敬意表現とポライトネス/言語使用域/発話レベルの現象としてのポライトネス/語用論的現象としてのポライトネス
 6.3 原則と行動指針によって説明されるポライトネス
  意味の不確定性とポライトネス/語用論的原則(如才なさの行動指針/気前のよさの行動指針/是認の行動指針/控えめの行動指針/同意の行動指針/ポリアンナの原則)/リーチのアプローチに関する問題点
 6.4 ポライトネスとフェイスの取り扱い
  フェイスを脅かす行為(FTA)(フェイスを脅かす行為をする際のストラテジー/何も緩和策を講じずに FTA をする/緩和策を講じて FTA をする(積極的ポライトネス)/緩和策を講じて FTA をする(消極的ポライトネス)/オフレコード・ポライトネスを用いて FTA をする/ FTA を行わない)/ブラウンとレヴィンソンに対する批判
 6.5 会話の契約として見たポライトネス
 6.6 語用論的スケールに沿って測られるポライトネス
 6.7 結び


第7章 意味の構築

 7.1 はじめに
 7.2 語用論は言語学にどう当てはまるのか
 7.3 語用論と社会言語学
  語用論と社会言語学の接点
 7.4 活動の型と発話事象
 7.5 意味の構築
  語用論的な意味の不確定性/発話行為の共同性/発語内の効力について互いに交渉する可能性/発話行為の下地を作る/談話の流れの中の一連の発話/談話の意味の不確定性/動的な語用論
 7.6 語用論の中で何が論拠となるか
  発語媒介効果/話し手による明示的な注釈/他人による明示的な注釈/文脈(Co-text)(後に続く談話)
 7.7 結び

参考文献
人名索引
用語索引


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