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書籍紹介

日英語比較選書5〈全10巻〉
構文と事象構造

著者 中右 実、西村義樹〔共著〕 / 中右 実〔編〕
刊行日 1998年11月30日
ISBN 978-4-327-26005-7
Cコード 3380
NDCコード
体裁 A5判 並製 218頁
定価 定価2,640円(本体2,400円+税10%)

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内容紹介
われわれは身体経験や知覚経験を通して世界を有意味な状況の類型に概念化し構造化する。本巻では日英語の慣習化された代表的な構文を取り上げ、その根底にどのような事象構造の概念型が張りついているか、その対応関係を掘り起こし、同時に日英語の異同を見極めることがその眼目である。(「はしがき」より)
 
第I部: 空間と存在の構図 「に」と「で」から〈空間認識構造〉の鋳型を、be と have から〈存在〉〈所有〉〈経験〉として識別される事象構造を解明。第II部: 行為者と使役構文 使役構文のプロトタイプと拡張事例を切り分け、〈使役行為〉 をめぐる認知論的構図を描きあげる。
目次
<第1部 空間と存在の構図>
 
はじめに
 
第1章 「に」と「で」からの発想――空間認識構造を探る――
「に」と「で」の棲み分け
 「に」と「で」と存在動詞「ある」
 場所の「に」と基本述語
 状態の「ある」と過程の「ある」
 状態の BE と過程の BE
 場所の「で」と局面動詞
 局面動詞と時間的空間
 「で」と非顕在的局面動詞
 英語の語順の中の「に」と「で」
 文末主語構文の中の「に」と「で」
 疑似受動文の中の「に」と「で」
「に」への収束――状況内在化の比喩的転換
 「で」から「に」への組み替え
 「から」から「に」への組み替え
「で」の階層的多義
 物理的空間と時間的空間
 心理的空間と発話行為
 英語の前置詞 IN の階層的多義
 場所扱いと時間扱いを判別する
まとめ――空間認識構造の普遍的モデル
 
第2章 BE とHAVE からの発想――存在・所有・経験の型を探る
2つの BE と3つの HAVE
はだか存在文の特異性を問う
 不定数量詞限定と有限主語条件
 有形主語条件
2つの BE 存在文を対比する
 THERE 存在文は制約自由
 視知覚領域と認識領域
 部分と全体の関係
 譲渡不可能な所有の関係
 譲渡不可能所有と代名詞化
 有形主語条件からの再吟味
 まとめ
存在の HAVE と所有の HAVE
 存在と所有の HAVE を切り分ける
 存在の HAVE と所有の HAVE の間
存在の HAVE と経験の HAVE
 存在の BE と存在の HAVE
 経験構文としての HAVE 存在文
 経験者と事象との接点を詰める
 
<第2部 行為者と使役構文>
 
第1章 理論的背景
認知文法的なアプローチの先駆者
認知文法の特徴
 記号体系の一環としての文法
 捉え方 の重要性
 プロトタイプを中心とするカテゴリーの遍在性
 言語によって異なる意味構造
 
第2章 使役構文のプロトタイプとその意味
使役構文とは何か:予備的考察
 使役と因果性
 行為と使役
使役構文のプロトタイプ的意味:経験のゲシュタルトとしての直接操作
 使役構文のプロトタイプ
 使役構文のプロトタイプがプロトタイプである理由
 基礎行為の性格
分析的使役構文
 
第3章 無生物主語の使役構文
考察の範囲
エネルギー源 行為者としての無生物
基礎行為と原因
事例研究:make
「道具主語」の使役構文
日英語の相違に関する考察
 「する」的な言語と「なる」的な言語
 行為動詞が結果を含意する程度
 
第4章 意図しない結果を表す使役構文
<基礎行為>から意図しない結果が生じる場合
さらなる拡張:不作為または「負の行為」
<使役行為>か<受け身>か?
日英語の相違に関する考察
 
第5章 英語の結果構文
英語の結果構文の特異性
結果構文の意味
結果構文の用法の拡がり
 プロトタイプ
 wash,sweep,wipe 等の基本義の換喩的転義による結果構文
 意図しない結果を表す他動詞派生の結果構文
 自動詞派生ならびに他動詞派生だが通常とは異なる目的語を取る結果構文
 無生物主語の結果構文
 
参考文献
索引

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