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書籍紹介

日英語比較選書3〈全10巻〉
モダリティと発話行為

著者 赤塚紀子、坪本篤朗〔共著〕 / 中右 実〔編集〕
刊行日 1998年5月15日
ISBN 978-4-327-26003-3
Cコード 3380
NDCコード
体裁 A5判 並製 220頁
定価 定価2,640円(本体2,400円+税10%)

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内容紹介
「あいにく雨が降りだしましたね」という発話では「あいにく」や「ね」が話し手の心的態度を合図している。こうした話し手の心的態度をモダリティと呼ぶことがあるが、本書の2つの論考はともに構文のレベルで慣習化したモダリティの意味と形式を突き止めようとするものである。(「はしがき」より)
 
第I部: 条件文と Desirability の仮説 条件文が日常生活で機能する背後に働いている原理を、既存の考え方を超えた独創的な視点から追及する。第II部: 文連結の形と意味と語用論 文連結の背後にはどのような意味関係があるのか、そして話し手がどのようにかかわりあっているかを明らかにする。
目次
<第1部 条件文と Desirability の仮説>
 
はじめに
 
第1章 背景
条件文との出会い
Benveniste との出会い
真理値による意味論への疑惑:母親の嘆き
 
第2章 条件文と Desirability の仮説
Desirability の仮説とは何か
日本語にはない英語の条件文:命令条件文(imperative conditionals)
条件文のシンタックスと Desirability 表の視点性
条件文の主観性と非事実性<irrealis,non-fact>
 認知スケール
 発話の場で得た新情報は非事実
 「そんな主張は馬鹿げている!」:比喩的条件文
Geis and Zwicky <1972> の誘導推論 と発話行為
 誘導推論
 誘導推論の現象とは何か?
 
第3章 日常的な反事実推論と感情世界
誰にとっても自然な反事実推論のタイプを求めて
メンタルスペース理論 における反事実性 の分析の批判
 スペースビルダー
 日本語の文型「p でよかった」
 Fauconnier <1985> における反事実推論の分析と論理学の伝統
ロスアンゼルス地震資料の分析
 背景
 日本語の場合:日常の反事実推論の共同作成 ――その1
 日本語の場合:反事実推論の共同作成――その2
 英語の場合:I just kept thinking
 
第4章 日韓の幼児はなぜ早く条件文を話すようになるのか?
本章の概説
日韓語のD条件文
 Dスケール
 D条件文とDモダールの比較
 日韓語と英語の違い:義務と許可の文法
4人の日韓幼児の条件文習得とD条件文
 Akatsuka and Clancy <1993> の概説
 幼児たちの習得過程
 D条件文から普通条件文へ
 日韓幼児の早期条件文習得と Desirability の原理
日韓米の親が幼児に使った条件文
 Desirability 判断の基準
 予測の条件文と確定未来の条件文
世界の幼児の最初の条件文
 
<第2部 文連結の形と意味と語用論>
 
第1章 文連結のキーワード
文連結が「わかる」とは
文連結の整合性と結束性
文連結の方向性と視点
類像性:形と意味の有契性
文連結の融合(統合)と構文機能
 
第2章 時と条件の文連結
文連結の意味関係と文法化
「と」による文連結と接続機能
 時の接続機能
 因果関係の接続機能
時間系列と因果関係系列の関係
 
第3章 「語り」の文連結
3つの when 節
「語り」の when 節
 形式と解釈
 「語り」の when の語用論
 「語り」と視点
「語り」の before 節
 「語り」の before 節の語用論
 before 節と否定的意味
 
第4章 状況の文連結
状況の連結としての、いわゆる「主要部内在型関係節」
文連結の類像的仕組み
「を」をとる「の」節
 文連結の隣接性と背景化
 「の節」の文法機能:項と付加語の間
「が」をとる「の」節
モノ的表現とコト的表現から見た文連結
 叙述語と付加語の連続性:英語の分詞節
 状況の連鎖と文連結
 構文の融合と文連結
連続体としての、いわゆる「主要部内在型関係節」
 
参考文献
索引

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