英語学モノグラフシリーズ21〈全21巻〉
関連性理論の新展開 ――認知とコミュニケーション
|
著者 |
東森 勲、吉村あき子〔著〕 |
刊行日 |
2003年1月23日
|
ISBN |
978-4-327-25721-7 |
Cコード |
3380 |
NDCコード |
801 |
体裁 |
A5判 並製 226頁
|
定価 |
定価3,080円(本体2,800円+税10%)
|
ネット書店からのご購入(近刊予約ページにつきましては発売月初旬頃までに表示されます)
*お取り扱いのないネット書店もございます
リアル書店在庫確認
- 内容紹介
- ことばによるコミュニケーションでは推論の果たす役割が大きいという基本的な認識から始めて、表意と推意の区別、概念的意味と手続き的意味、記述的側面と解釈的側面を論じ、応用面について最新の動向を概観する。
- 目次
- 第1章 イントロダクション - コミュニケーション能力と解釈原則
1.1 コミュニケーションを可能にするもの
1.1.1 ことばとコミュニケーション
1.1.2 言語とメタ表示能力
1.2 関連性理論の研究対象と基礎概念
1.2.1 研究対象
1.2.2 発話解釈における効率性
1.2.3 関連性理論の基礎
修正推論モデル/関連性の認知原則と伝達原則/意図明示的刺激の処理装置
1.2.4 発話解釈過程
第2章 表意(explicature)と推意(implicature)
2.1 発話によって伝達される2種類の意味
2.2 Grice(1967, 1975/89)のWhat is saidとWhat is implicated
2.3 関連性理論の表意と推意
2.3.1 表意
表意に貢献する4つの語用論的手段/言語的意味の不確定性/表意の明示性の程度/基本表意と高次表意
2.3.2 推意
前提推意と帰結推意/推意の強さ
2.3.3 表意と推意の相互作用と位置付け
相互調整/発話の認知処理に関わるレベル
2.3.4 表意と推意の境界問題
and接続/「尺度含意」
2.4 まとめ
第3章 概念的コード化と手続き的コード化
3.1 発話によって伝わる情報
3.1.1 発話によって伝わることと意図明示的伝達
3.1.2 言語的伝達と非言語的伝達
3.1.3 言語的伝達とコード化
3.1.4 概念的コード化と手続き的コード化
3.2 概念的コード化
3.2.1 表意に貢献する概念的情報
表出命題に貢献する概念的コード化/高次表意に貢献する概念的コード化
3.2.2 推意に貢献する概念的情報はあるか
3.3 手続き的コード化
3.3.1 推意に関わる推論への制約
SoとTherefore/ButとNevertheless
3.3.2 表意同定に関わる推論への制約
表出命題への制約:人称代名詞/高次表意への制約:mood indicator
3.4 単語の意味の可能性
3.5 まとめ
第4章 言語の記述的用法と解釈的用法
4.1 はじめに
4.2 ルース・トークに基づく伝達
4.2.1 概念とルースな用法
loose use
4.2.2 垣根ことばの役割
4.3 解釈的類似性に基づく伝達
4.3.1 言い換え表現の分析
4.3.2 エコー疑問文の分析
4.3.3 メタ言語的表現の分析
疑似条件文の分析/メタ言語的否定の分析
4.4 伝統的レトリックの再分析
4.4.1 メタファーの分析
4.4.2 メトニミーの分析
4.4.3 アイロニーの分析
4.4.4 ジョークなど笑いの分析
ジョークの分析/ユーモアの分析/パロデイーの分析/だじゃれの分析
4.4.5 その他のレトリックの分析
ニックネーム の分析/同一表現の繰り返し(Repetition)の分析/
控えめ表現(understatement)の分析/トートロジー(Tautology)の分析
第5章 更なる複雑な言語使用の分野への応用
5.1 広告の分析
5.2 翻訳の分析
5.3 丁寧さ(politeness)など社会的要因の分析
5.3.1 社会的想定(social assumptions)について
5.3.2 What are you looking at? を侮辱として解釈する場合
5.3.3 交感関係の伝達(phatic communication)と関連性
5.3.4 ケーススタデイー: butと丁寧さの分析
5.4 言語障害の分析
5.5 おわりに