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書籍紹介

英語学モノグラフシリーズ19〈全21巻〉
認知文法の新展開 ――カテゴリー化と用法基盤モデル

著者 早瀬尚子、堀田優子〔著〕
刊行日 2005年7月21日
ISBN 978-4-327-25719-4
Cコード 3380
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 224頁
定価 定価3,080円(本体2,800円+税10%)

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内容紹介
 ことばを自由に操ることができる人間の文法知識は、以前に見聞きした発話を分類し、カテゴリー化し、ネットワーク化した総体と考えられる。この新しい文法モデル(用法基盤モデル)の考え方を紹介する。
 
<著者紹介>
早瀬尚子(はやせ なおこ)
 大阪外国語大学助教授。著書に『英語構文のカテゴリー形成』(勁草書房)、訳書に『構文文法論』(A.E.ゴールドバーグ著、共訳、研究社)など。
 
堀田優子(ほりた ゆうこ)
 金沢大学文学部講師。著書に『認知言語学の基礎』(共著、研究社) 、訳書に『構文文法論』(A.E.ゴールドバーグ著、共訳、研究社)など。
目次
第1章 カテゴリー論の展開
 1.1 古典的カテゴリー論
 1.2 古典的カテゴリー論を超えて
  1.2.1 共通属性の抽出
  1.2.2 家族的類似
  1.2.3 ファジーな境界
  1.2.4 焦点色
  1.2.5 ヘッジ表現
  1.2.6 カテゴリーの可変性:コンテクストとの関係
  1.2.7 まとめ
 1.3 プロトタイプ理論
  1.3.1 プロトタイプ
  1.3.2 基本レベル・カテゴリー
  1.3.3 プロトタイプに基づくカテゴリー観:放射状カテゴリー
  1.3.4 プロトタイプ・カテゴリー観の問題点
 1.4 スキーマに基づくカテゴリー観
  1.4.1 スキーマとカテゴリー
  1.4.2 ネットワークとしてのカテゴリー
  1.4.3 意味ネットワーク:動詞runを例に
  1.4.4 音韻ネットワーク
 1.5 結語
 
第2章 用法基盤モデルの理論的背景
 2.1 生成文法の言語理論
 2.2 認知言語学的アプローチの守備範囲
 
第3章 用法基盤モデルの諸側面
 3.1 言語に関わる心理的現象
 3.2 記号体系のネットワークとしての文法
 3.3 ネットワークにおけるプロトタイプ
 3.4 ネットワークにおけるスキーマ
 
第4章 用法基盤モデルにおける文法知識の形成
 4.1 「創発」の考え方
 4.2 頻度効果
 4.3 トークン頻度とその効果
  4.3.1 トークン頻度の保守化効果
  4.3.2 トークン頻度の縮約効果
 4.4 タイプ頻度の生産性効果
 4.5 スキーマの競合と可変性
 4.6 類推について
  4.6.1 類推に関わる類似性
  4.6.2 -er名詞について
 4.7 まとめ
 
第5章 創造的カテゴリー:共時的観点から
 5.1 複合語とカテゴリー化
 5.2 生産的な語形成:混成語について
 5.3 パロディ的拡張表現
 5.4 まとめ
 
第6章 変容するカテゴリー:通時的観点から
 6.1 発達する構文カテゴリー:way構文
 6.2 衰退をはらむ構文カテゴリー:二重目的語構文
 6.3 拡張する構文カテゴリー:have構文と(原形)不定詞補部の発達
 6.4 創発するカテゴリー: 英語の疑似モーダル表現
 6.5 まとめ
 
第7章 形成されるカテゴリー:言語獲得の観点から
 7.1 文化学習としての言語獲得
 7.2 「動詞の島」仮説
 7.3 構文の概念と言語獲得
 7.4 「構文の島」と獲得の順序
 7.5 言語獲得初期における入力データの頻度効果と統語操作
 7.6 保守的学習からスキーマ抽出へ
 7.7 構文スキーマの立ち上げ
 7.8 母語話者選択のなぞ
 7.9 まとめ
 
第8章 認知言語学的手法再考
 8.1 頻度と母語話者直観との乖離
 8.2 プロトタイプと獲得順序との乖離
 8.3 コーパス言語学との接点
 8.4 まとめ

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